
RizomUV 2027が登場!UV展開の高速化、テクセル密度の制御、制作パイプライン連携を強化
Rizom-Labは、UVマッピングソフトウェアの新バージョン RizomUV 2027 を2026年10月8日にリリースしました。
今回のアップデートでは、UV展開・最適化処理の改善に加え、自由にカスタマイズできるワークスペース、シーン内のオブジェクトやマテリアルを管理するScene Outliner、テクセル密度を調整するブラシ機能などが強化されています。
さらに、Pythonを標準のスクリプト言語とする環境の整備や、GUIを表示せずに処理を実行するHeadless Mode、glTF 2.0のインポート・エクスポートにも対応。個人アーティストの日常的なUV編集から、複数アセットを扱うスタジオの制作パイプラインまで、幅広いワークフローを支援するアップデートです。
公式製品ページ:RizomUV 2027 Release Features
1. 作業内容に合わせて変更できる新しいワークスペース
RizomUV 2027では、インターフェースが再設計され、パネルやツールバーを柔軟にカスタマイズできるようになりました。
パネルの配置やツールバーを自由にカスタマイズ
パネルは移動、ドッキング、切り離しができ、フローティングウィンドウとして別のモニターに配置することも可能です。サイドパネルを折りたたんでビューポートを広く使ったり、用途ごとにワークスペースをプリセットとして保存したりできます。
ツールバーもカスタマイズに対応し、よく使うコマンドや設定を追加して、使いやすい順序に並べられます。ツールバーの構成はファイルとして書き出し、別の環境に移すこともできます。
例えば、UV展開やシーム編集を行うときは編集パネルを中心に配置し、パッキング時には配置・密度関連の設定を優先するなど、作業に応じたレイアウトを使い分けられます。マルチモニター環境では、メインのビューポートと各種設定パネルを分離することで、表示領域を効率的に活用できます。
Ctrl+Kでツールや設定を検索
新たに追加された検索機能では、Ctrl+Kを押してツール、設定、パネルを検索できます。検索結果を選ぶと、該当するコントロールがインターフェース上で示されます。
再構成されたヘルプやオフライン検索、詳細なツールチップも利用できます。普段使わない機能を探すときや、新しい環境で操作を覚えるときに、メニューを順番にたどる手間を減らせます。
2. UV展開・最適化の処理を高速化
RizomUV 2027では、UnfoldとOptimizeの処理方式が改善されました。シーン内の複数のUVアイランドを並列処理するとともに、各アイランドの計算にも改善されたソルバーを使用します。
公式Changelogでは、CutやWeldの処理についても、変更が必要な部分だけを再構築する方式への改善が記載されています。これにより、UVアイランドが多数存在するメッシュでの編集負荷の軽減が期待できます。
Live Updateでシームや制約を調整しやすく
Live Updateを有効にすると、エッジ制約を追加・削除した際に、対象アイランドの再計算が行われます。
シームの位置や展開時の制約を調整しながら結果を確認できるため、複雑な形状や、歪みを抑えたいハードサーフェスモデルのUVを調整する場面で役立ちます。
Align BordersでUVアイランドの境界を整列
新しいAlign Borders機能では、UnfoldやOptimizeの処理時に、UVアイランドの境界をU軸・V軸に沿って整列できます。設定した角度しきい値などに応じて境界を整えられるため、手作業で輪郭を調整する工程を減らせます。
また、カーソル下のアイランドに対して、展開状態の解除やUnfold、Optimizeを実行するショートカットも追加されています。対象を選択し直す手順を減らし、局所的な修正を進めやすくなります。
エッジ選択とビューポート表示も改善
複雑なメッシュを扱う際に重要な、エッジ選択機能も改善されています。
-
エッジループがシームを越えてトポロジーに沿って選択できるように改善
-
カットをまたいだ平行エッジの選択に対応
-
Shortest Pathの再設計により、経路選択を高速化
-
経路の最短距離と直線的な形状のバランスを調整するStraightness設定を追加
ビューポートでは、カーソル下の頂点・エッジ・ポリゴンのプレビュー、シームに対応する反対側のエッジ表示、エッジのアンチエイリアス、パッキング時のパディング表示などが改善されました。
選択対象やUVアイランド間の余白を確認しやすくなり、操作ミスや確認作業を減らすことにつながります。
3. Scene Outlinerで複雑なシーンのUV作業を管理
RizomUV 2027のScene Outlinerは、シーン内の要素を階層的に確認・操作するための機能です。2027では、OBJやFBXから読み込んだオブジェクトに加え、マテリアルやポリゴングループも一覧で管理できるようになりました。
マテリアルやポリゴングループを個別に非表示・分離し、対象となる要素を選択できます。複数の要素を選んで境界エッジを抽出したり、選択した要素をタイルや新しいグループに振り分けたりする操作にも対応しています。
例えば、複数のマテリアルを使用するゲーム用プロップや、パーツを組み合わせたモジュラーアセットでは、編集したい部分だけを特定して作業できます。キットバッシュで構成されたシーンでも、対象の検索や分離にかかる手間を減らせます。
従来のようにジオメトリを目視で探す作業を減らし、UV展開や整理そのものに集中しやすくなる点がメリットです。
4. テクセル密度を制御し、テクスチャ解像度を有効活用
テクセル密度は、3Dモデルの表面に対してテクスチャのピクセルがどの程度割り当てられているかを示す指標です。ゲームアセットでは、限られたテクスチャ解像度をどの部分に配分するかが、見た目の品質やリソース管理に関わります。
RizomUV 2027では、Density MapやProtect Mapを活用した密度制御が強化されました。
Ambient Occlusionを利用したDensity Map・Protect Map
Density MapとProtect Mapは、UVの密度や最適化時の扱いを制御するためのマップです。2027では、アンビエントオクルージョン(AO)からこれらのマップを生成できるようになりました。
例えば、凹部や遮蔽された部分と、外から見えやすい表面とで、テクセル密度の配分を調整する際に活用できます。ただし、AOだけで最終的な密度配分が自動的に決まるわけではなく、アセットの用途やカメラからの見え方に応じた確認が必要です。
Density MapをUnfoldとPackingに活用
Density Mapは、Unfold時の計算に反映できるほか、Packing時の基本スケールにも利用できます。これにより、UV展開と配置の両方で、密度の方針を反映しやすくなります。
Density Brushでは、ブラシでマップを編集しながら最適化の結果を確認できます。また、各種ブラシを3Dビューポート上でボリュームを持つストロークとして使用できるようになりました。
3Dモデル上の対象箇所を見ながら調整できるため、UVビューと3Dビューを往復する作業を減らしやすくなります。
Color IDとUVスナップショットの改善
ポリゴン単位のColor IDにも対応し、カラーピッカーで選択した色を対象ポリゴンに割り当てられるようになりました。テクスチャ制作に向けた領域分けや、マスク作成の準備に活用できます。
さらに、UVスナップショットの書き出しでは、画面上に表示されているテクセル密度に応じてポリゴンを塗り分けられます。UVの密度分布を視覚的に確認できるため、アセット間の密度差や、意図しない配分をチェックする際に便利です。
5. PythonとHeadless Modeで制作パイプラインを自動化
RizomUV 2027では、スクリプトと外部ツールとの連携機能が強化されています。Pythonが新規環境での標準スクリプト言語となり、スクリプトエディターとコマンドログがドッキング可能なパネルとして用意されました。
操作を記録し、再利用可能なスクリプトに
コマンドログは、セッション中の操作を現在のスクリプト言語で記録し、再実行可能なスクリプトとして利用できます。
アーティストが手作業で行った操作を記録し、それをベースにテクニカルアーティストが繰り返し実行できる処理へ発展させる、といった使い方が考えられます。
複数のアセットに共通する処理や、制作工程で繰り返す設定をスクリプト化することで、作業手順を標準化しやすくなります。
Headless ModeでGUIを表示せずに処理
Headless Modeでは、ユーザーインターフェースを表示せずにスクリプトを実行できます。コマンドラインからの起動やログ出力、終了コードにも対応し、バッチ処理や自動化されたビルド工程に組み込みやすくなりました。
例えば、多数のアセットに対する定型的な処理をまとめて実行したり、制作パイプラインの一工程としてUV処理を呼び出したりする用途が考えられます。
レンダーファームなどの自動実行環境への応用も公式に紹介されています。ただし、実際に導入する場合は、ライセンスの運用、実行環境、処理対象データ、エラー時の復旧手順などを含めて検証する必要があります。
RizomUVLinkがWindows・macOS・Linuxに対応
DCCツールや外部スクリプトとの連携に利用されるRizomUVLinkは、従来のWindowsに加えてmacOSとLinuxでも利用できるようになりました。
2027ではRizomUVLinkが製品に同梱され、外部ツールからの起動やエラー通知などの信頼性も改善されています。Pythonクライアントモジュールの対応範囲はプラットフォームによって異なるため、既存の連携ツールを利用している場合は公式Changelogで対象環境を確認してください。
6. FBXのUV関連情報保持とglTF 2.0に対応
ファイル入出力では、UV作業の引き継ぎや必要なデータだけを読み込むための改善が行われています。
FBXにUV編集用の情報を保存
RizomUV 2027では、UV制約、ピン、各種マップ、対称面、UVWプロパティなどの情報をFBXファイルに保存できるようになりました。
UV座標だけでなく、RizomUVでの編集に関係する設定情報もファイルに保持できるため、別の工程を経たアセットを再びRizomUVで開いて修正する場合に役立ちます。
ただし、これはFBX内に保存されるUV関連情報の拡張であり、すべてのDCCツールがそれらの情報を同じように解釈・利用できることを意味するものではありません。
glTF 2.0のインポート・エクスポート
glTF 2.0のインポートとエクスポートが新たに追加されました。glTFはリアルタイム3D、Web、ARなどの用途で利用される形式です。
これらのワークフローでglTFを扱う場合、UV制作のためのデータ受け渡しを進めやすくなります。具体的なデータ保持や変換結果については、使用するファイルの内容や連携先アプリケーションに応じた確認が必要です。
大規模FBXシーンの部分読み込み
FBXでは、シーン全体を読み込むのではなく、必要なオブジェクトを選択して読み込めるようになりました。公式情報では、USDファイルと同様の部分読み込み機能として説明されています。
大規模なシーンから一部のモデルだけを修正したい場合に、不要なジオメトリを読み込まずに作業を始められます。
7. 対応OSと提供情報
RizomUV 2027は、Windows、macOS、Linux向けに提供されています。
- Windows: スクリプト、自動化、RizomUVLinkに対応
- macOS: Apple SiliconとIntel Mac向けのネイティブ対応ビルドを提供
- Linux: AppImage形式で提供。公式情報ではRHEL、Rocky Linux、AlmaLinux 8・9、Ubuntu 24.04以降などが案内されています。X11とWaylandのセッションに対応
macOS・Linuxでも、スクリプトやHeadless Mode、RizomUVLinkを利用できます。ただし、内蔵Pythonのバージョンや外部クライアントの対応範囲はOSによって異なります。
提供開始日は2026年10月8日です。公式サポートページでは15日間の無料トライアルが案内されています。利用にはアカウントが必要です。
まとめ:個人のUV編集からスタジオの自動化までを支援
RizomUV 2027は、UV展開・最適化の処理改善に加え、作業環境のカスタマイズ、シーン管理、テクセル密度の制御、スクリプトによる自動化、ファイル連携を幅広く強化したバージョンです。
特に、次のような制作環境でアップデートのメリットを検討しやすいでしょう。
- ゲームアーティスト・モデラー: Live Update、Align Borders、エッジ選択の改善によって、UVの修正作業を効率化したい
- テクスチャアーティスト: Density MapやProtect Mapを活用し、アセットのテクセル密度を細かく管理したい
- 大規模なアセットを扱う制作チーム: Scene OutlinerやFBXの部分読み込みで、対象の検索・分離・編集を効率化したい
- テクニカルアーティスト・パイプライン担当者: Python、Headless Mode、RizomUVLinkを利用して、定型処理やDCCツールとの連携を自動化したい
日常的なUV編集の操作性を改善したいユーザーだけでなく、アセット数の増加やパイプラインの自動化に対応したいスタジオにとっても、検討する価値のあるアップデートです。
![]() |
RizomUV Virtual SpacesUV作業に時間をかけず、作品づくりに集中しよう |
![]() |
RizomUV Real Space歪みを抑えて、3Dモデルを平面に展開 |





